ビル用マルチエアコンの室外機が壊れてしまい、部品もなく修理できないと修理担当者に言われたが、室内機は壊れていなさそうな為、パッケージエアコンの室外機をつけられないかとご相談いただくことがあります。
こちらの結論に関しては、不可能です。
そもそもビル用マルチエアコンとパッケージエアコンは見た目は似ていますが、中身の基盤であったり制御であったりの仕様がことなります。
この場合は応急運転できないかを修理担当者に相談するくらいしかできません。
応急運転といってもかろうじて動く程度ですので、入れ替えを検討する必要があります。
目次
入れ替えを検討する際の選択肢
大きく分けて選択肢は2つあります。
室内機と室外機のみを新しいビル用マルチエアコンにする
こちらの方法が一般的です。配管設備や電気設備は今までのものを使用して室内機と室外機のみを交換します。
費用に関しても一番抑える事ができる方法です。
工事完了までの工期も一番短くすみます。
ビル用マルチエアコンが故障した経験がある方ですと、故障した時のリスクが大きいと感じられるでしょう。ビル用マルチエアコンは室外機が故障すると全ての室内機が使えなくなります。
例えば、ビル用マルチエアコンの管理者の方がビルのオーナー様で、複数のテナントの空調を行なっている場合、複数のテナントから何とかしてくれとのクレームが入る事でしょう。
パッケージエアコンに入れ替える
上記の例の経験をすると次は個別で室外機をもているパッケージエアコンを検討したいと考えられる方もおります。パッケージエアコンを設置すれば次回故障した際、該当箇所に修理や交換をすれば良いので莫大な費用がかからないので安心です。
この場合既存の配管設備を使う事ができなくなり配管も引き直しになります。また電気工事も必要になります。新規で設置するようなものです。
設置工事費用はビル用マルチエアコンを入れ替えるよりも高額になります。
費用を抑えるために既存のビル用マルチエアコンは故障したまま置いて置いて新たにパッケージエアコンをつけるという方法もあります。しかし、部屋の現状に使えない室内機があるのは心地よいものではありません。また、フロン排出抑制法という法律でフロンが充填されている機器は定期的に点検義務があります。故障して置いてあるだけのビル用マルチエアコンでも点検義務があります。
まとめ
業務用エアコン専門家としてはビル用マルチエアコンよりも何か起こった際に被害も最小限で済むパッケージエアコンを複数台設置することをお勧めします。
室外機を置くスペースの問題であったり、建物の構造上の問題であったり、予算の問題であったりはありますが、安定した空調環境を求めるならパッケージエアコンです。
予算が問題であればリースという手もあります。