シアターやホールなど大空間に訪れた際、当たり前の様に、涼しかったり、暖かかったり空調されています。
しかし、天井や壁を見渡してみても普段見る様な業務用エアコンは設置されていません。
どのように空調されているか解説します。
目次
シアターやホールの空調はダクト方式
シアターやホールの空調は、露出されているタイプの業務用エアコンではなく天井裏や空調機械室に
設置されている機器から風をシアターやホールに運んでくるダクト方式で通常空調されています。
客席から見えるものとしては吹き出し口だけになります。
具体的には、アネモ、ラインディフューザー、ターボノズルなどしか目にすることはないでしょう。



*画像はアイエム換気口より
エアハンでの大風量空調
大空間を空調するため、エアハンという大型の業務用エアコンで空調しています。
エアハンについては過去の記事をご参照ください。
機械室に設置してシアター、ホールにダクトで空気を運んできて、上記画像の吹き出し口で部屋内に空気を出します。
空気の流れのイメージ図
コロナの時にとある映画館に行った際に掲載されていたイメージがわかりやすかったのでご紹介します。

屋外の空気を、先ほどから触れていますエアハンという空調機で涼しくしたり、暖かくし、その空気を映画館内に送り込み、スクリーン裏の換気口から屋外に空気を排出している図になります。
この図では換気でせっかく空調した空気を外に出してしまっている様に見えますが、いったん空調機に空気が戻っているのがミソなんです。
ただたんに空気を排出しているわけではなく、熱交換器を経由し再度涼しさや暖かさを部屋内に行く空気に伝えたり、空調の無駄をなくすような作りになっています。
空調機の仕組みとしては、吹いた空気だけで部屋が涼しくなったり、暖かくなるのではなく、吹いた涼しいかったり、暖かい空気を循環させることにより部屋を空調していきます。
シアター、ホールの業務用エアコンの選定方法
シアターやホールは、空調設計の難易度が高い施設となります。理由としては下記の通りです。
- 天井が高く、空間が大きい
- 観客の密度が高く、発熱量が多い
- 静音性が極めて重要
- 舞台照明などによる大きな発熱
専門の設備設計士の方が負荷計算を行いきちんと設計することが大切です。
業務用エアコンの工事業者に頼んでも一からの設計はできません。
シアターやホールの場合はまずは建物も特殊となるので、建物全体の担当としてゼネコンがいて、設備空調担当としてサブコンがいて、そこに設備設計事務所も加わり話を進めていく必要があります。