業務用エアコンのラインアップを見ると各メーカー省エネモデルと標準モデルを販売しております。メーカーのカタログを見ても省エネモデルと標準モデルを比べている資料はほぼでておりません。何が違うか大まかに説明します。
目次
業務用エアコンの省エネ性について
業務用エアコンの省エネ性能の表す数値としてAPF(通年消費エネルギー効率)という数値があります。現在の業務用エアコンはインバーター制御になり、業務用エアコンが運転している環境により消費電力は変化してしまいます。昔のエアコンはON、OFFがメインの制御となっており、ONであればカタログに記載してある消費電力となっておりました。今の業務用エアコンのカタログには消費電力が記載されていますが、決まった条件下での定格消費電力となっており、電気代を算出する根拠としては乏しい数値となります。そのため、年間の環境も考慮したAPFを使い省エネ性能を表しています。
業務用エアコンのAPFから見る違い
ダイキンの業務用エアコンの「FIVE STAR ZEAS」と「ECO ZEAS」の機種のAPFを検証していきましょう。
形式 | 定格消費電力(冷房)kW) | APF | |
省エネモデル | SSRC140BC | 3.19 | 6.7 |
標準モデル | SZRC140BC | 3.49 | 5.8 |
定格消費電力で見ると省エネモデルの方が9%程省エネですが、APFで見ると省エネモデルの方が15%程省エネです。
業務用エアコンの電気代を見てみましょう
簡単に考えるために、基準の電気代は定格消費電力の数値を採用してみます。
1日12時間の運転で、月20日間で、12ヶ月、冷房した場合。(冬冷房することはほぼ無いと思いますが単純に考えるために冷房と考えます。)
1kWhの電気代 17円と想定
上記を元に省エネモデルの年間電気代
3.19kW × 2880時間(※12時間×20日間×12ヶ月)×17円=156,182円
上記を元に標準モデルの年間電気代(APFでの省エネモデルより標準モデルの方が15%省エネ性に欠ける事を考慮し、
156,182円 × 115% ≒ 180,418円
1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 | 7年 | 8年 | 9年 | 10年 | |
省エネ | 156,182 | 312,365 | 468,547 | 624,730 | 780,912 | 937,094 | 1,093,277 | 1,249,459 | 1,405,642 | 1,561,824 |
標準 | 180,418 | 360,835 | 541,253 | 721,670 | 902,088 | 1,082,506 | 1,262,923 | 1,443,341 | 1,623,758 | 1,804,176 |
差額 | -24,235 | -48,470 | -72,706 | -96,941 | -121,176 | -145,411 | -169,646 | -193,882 | -218,117 | -242,352 |
業務用エアコンは省エネモデルと標準モデルどちらがお得か?
10年で考えると標準モデルより省エネモデルを買った方が、24万電気代がお得になります。今回参考に出している業務用エアコンの機械代金は市場価格で3万円~4万円くらい省エネモデルの方が高くなりますが、今回のざっくりとした計算方法では2年位で元が取れる計算となります。実際の仕様頻度や環境により数値は変動しますが、初期費用を抑えたい気持ちはわかりますが、長い目で見ればお得になるケースもありそうです。
業務用エアコンのメーカーのモデル比較
メーカー | ブランド | 省エネモデル | 標準モデル | 下位モデル |
ダイキン | スカイエア | FIVESTARZEAS(ファイブスタージアス) | ECOZEAS(エコジアス) | |
三菱電機 | スリムエアコン | スリムZR(スリムゼットアール) | スリムER(スリムイーアール) | |
三菱重工 | セゾンエアコン | EXCEEDHYPER(エクシードハイパー) | HyperInverter(ハイパーインバーター) | |
日立 | パッケージエアコン | 省エネの達人プレミアム(R32) | 省エネの達人(R32) | |
東芝 | カスタムアコン | ウルトラパワーエコ | スーパーパワーエコゴールド | スーパーパワーエコmini |
パナソニック | XEPHY(ゼフィー) | Gシリーズ | Hシリーズ |