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管工事施工管理技士とはどのような資格か
「管工事」「施工管理」「技士」と大まかに三つに分けて考えてみるとわかりやすい。
「管工事」
建設工事の中で、エアコンなどの空調工事、水道などの給排水工事、トイレなどの衛生工事。これらの設備工場の事を建設業界では管工事と言っております。配管を取り扱う工事なので管工事と理解はしやすいかと思います。換気工事は配管ではなくダクトの工事になりますが、管工事とされております。空気や水に関する工事が管工事と捉えることもできます。
「施工管理」
工事の現場監督です。工事の作業をする人ではなく、現場を管理することです。
工事の安全、品質、工程、原価の管理をします。
工事が安全に進んでいるか?(安全管理)
一人でも現場で怪我をすると現場の作業全てが止まります。建設現場は重機を使ったり、危険な工具を使ったり、高いところに登ったり、危険と隣り合わせです。安全に作業が進んでいるかを常に目を光らせる必要があります。
作業員が手を抜いた工事をしていないか、正確に工事されているか?(品質管理)
空調機の場合、隠蔽配管で配管が壁の中に隠されてしまうこともあります。もしも配管が壁の中に入ってしまった後に壁の中で配管のつなぎミスが発見された場合、壁を壊して修繕作業が必要になるケースもあります。間違った事を作業員がしていないかに常に目を光らせる必要があります。
スケジュール通り工事が進んでいるか?(工程管理)
建設現場は空調業者だけいるわけではありません、内装業者、電気工事業者などの業者も作業を進めています。空調業者の仕事が終わらないと天井が張れないなどの工程の絡みが出てきます。他の業者との調整をする必要があります。他の業者と上手くできない施工管理技士ですと天井裏に配管工事しないといけないのに、内装の管理技師と調整が下手で天井を張られてしまったりすることもあります。人の付き合いが現場でも大切になります。
予算通り進んでいるか?(原価管理)
上記の例で壁を壊して修繕する場合、費用はミスをした会社が持つことになります。施工管理している会社と作業員を派遣した会社での話し合いになりますが、施工管理している会社も管理責任がありますので作業員を派遣した会社に全額負わせるわけにもいきません。折半になる事もあります。このように予定外の出費にも対応することが原価管理です。
「技士」
技術者の事を指します。先輩技師の管理している現場に一緒に張り着かせてもらい技術力を高めます。管工事施工管理技師の場合、1級と2級があります。1級の場合は、大学卒業の場合には5年間の実務経験が必要で、2級の場合は、1年管理の実務経験が必要です。この下積み経験に加え、管工事施工管理技士の資格を取ることにより、ようやく一人前の技士となります。
現場では1日何をしているか
朝はラジオ体操からスタートです。
現場全体で朝礼も行なっております。
その後、昨日までの工事進捗具合の確認、本日の作業内容の確認を作業員と共に行います。
工事内容の変更が有れば図面の変更も行います。図面が変われば、原価も異なって来ますので原価の見直しを行います。作業現場の安全パトロールも実施します。
施工管理技師の仕事は事務作業がほとんどです。作業は下請の作業員が実施します。たまには手が足りない場合に、配管引っ張ったり、室内機の吊り込み手伝ったりしますが、ほぼ作業はありません。
建設現場の場合自分の会社一社だけで現場が進んでいくわけではなく、複数の業者が現場に入っています。配管の取り合いで電気業者やダクト業者と話し合いをしながら現場を進めていく必要があります。対人関係が苦手な人はこの仕事は向かないでしょう。作業員の場合は対人関係苦手でも元請の担当者1人とやりとりすればなんとか事が済みます。しかし、施工管理技士の場合、多くの人と接する事が当たり前です。
現場はホコリっぽかったり、汚れる事が多い為作業着で1日過ごします。事務の仕事だからといってワイシャツとスーツのズボンでいる人はいません。