ビル用マルチエアコンのラインナップとして冷房フリービル用マルチエアコンが各メーカーで用意がされています。通常のビル用マルチエアコンと冷暖フリービル用マルチエアコンは何が違うか解説します。
目次
通常のビル用マルチエアコンと冷房フリービル用マルチエアコンとの違い
通常のビル用マルチエアコンは室外機1台に対して室内機複数設置して個別に運転できるエアコンです。ここでポイントなのが個別では運転できるのですが、室内機のどれか1台が冷房運転していたら他の室内機も冷房運転か送風運転しかできません。
冷房フリービル用マルチエアコンであれば、室内機のどれかが冷房運転していても、他の室内機で暖房運転できるエアコンです。
どの様な場合に冷房フリービル用マルチエアコンが役に立つか
あまりニーズはありませんが、
例えば、春や秋などで少し肌寒い時期に会社で会議をする際、会議室は人が集まり白熱し部屋が暑くなり冷房を入れたいが、事務所は人が少なく寒い場合などに冷暖フリービル用マルチエアコンで有れば会議室も事務所も心地よい温度に設定できます。冷暖フリービル用マルチエアコンは通常のビル用マルチエアコンより機器代金も工事代金も高額になります。春や秋の一時的な時期のためわざわざ冷暖フリービル用マルチエアコンを高い金額を払って導入するケースは稀です。
他の例としてサーバー室は冬でも冷房させたいが、事務所は暖房したい場合でも使うことはできます。
冷暖フリービル用マルチエアコンの仕組み
通常のビル用マルチエアコンは配管が2本で良いですが、冷房フリービル用マルチエアコンは3本必要です。また、冷暖切り替えユニットという部材も室内機の台数分必要になります。
冷房切り替えユニットで冷媒の流れる方向を変える仕組みになっています。
1台の室内機が冷房運転していて、別の室内機が暖房運転する場合は、冷房していた部屋の熱を暖房する部屋に熱を運び空調します。室外機まで熱を運ぶのではなく、部屋同士で完結できてしまいます。室内機の冷房と暖房の割合により室外機は冷媒を動かすポンプとしての役目だけとなる場合もあります。
冷房フリービル用マルチエアコンまとめ
私個人としては、冷暖フリービル用マルチエアコンを導入するよりも、会議室やサーバー室などは個別のパッケージエアコンを設置して用途により機種を変えることをお勧めします。