目次
はじめに
店舗やオフィス、工場、飲食店など、多くの施設で欠かせない業務用エアコン。特に夏は稼働時間も長くなり、電気代が気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、業務用エアコンの電気代の目安や計算方法、電気代を抑える方法、さらにコストパフォーマンスに優れた機種の選び方まで、わかりやすく解説します。導入や買い替えを検討中の方、電気代に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
業務用エアコンの電気代の目安は?
業務用エアコンの電気代は家庭用の約3倍以上?
業務用エアコンの電気代は、その設置場所の広さ・機種・稼働時間によって大きく異なりますが、一般的に家庭用エアコンの3倍以上になると言われています。特に天井埋込型や大型のパッケージエアコンは、広範囲を効率よく冷暖房できる反面、電気代も相応にかかります。
電気代の計算方法
おおよその電気代は以下の計算式で求められます。
電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電力単価(円/kWh)
例えば、消費電力3.5kWのエアコンを8時間稼働し、電力単価31円/kWhの場合:
3.5kW × 8h × 31円 = 868円/日
これを月20日稼働と仮定すると
868円 × 20日 = 17,360円/月
ただしこれは単純計算の目安。実際の電気代はエアコンの性能・設定温度・環境条件・電力契約プランによって変動します。
業務用エアコンの電気代が高くなる原因
① 長時間稼働
業務用エアコンは、営業時間内ずっと稼働し続けるケースが多く、家庭用と比較して使用時間が長いのが特徴です。特に夏場や冬場は休む暇なく稼働するため、電気代も高騰しやすくなります。
事務所で例えば、8時に出勤してくる人がいて、残業を22時までする人がいる場合、14時間くらい業務用エアコンを稼働することにもなります。
② 設定温度の過剰設定
冷房は1℃下げるごとに約10%、暖房は1℃上げるごとに約10%電気代が増えると言われています。快適性を求めるあまり、過度な設定温度になってしまうと、余計な電力を消費してしまいます。
省エネを気にしすぎて28℃設定にしていても、今の猛暑で室内でも熱中症になる人もいます。寒く感じる人もいるかもしれませんが26℃設定くらいがいい気がします。
③ メンテナンス不足
フィルターの汚れや、室外機の詰まりなどで、エアコンの効率が落ちると、必要以上の電力を消費します。月1回のフィルター清掃や、年1回の専門業者による点検を行うことで、電気代を抑えることができます。
定期的なフィルター清掃を行っている会社はほとんどいないと思います。でもこれをやるとやらないでは電気代を抑えることもありますが、長持ちもします。
④ 古い機種の使用
10年以上前の古いエアコンは、最新機種と比べて消費電力が大きく、電気代がかさみやすいです。最新のインバーター機能搭載機なら、電力消費を最適化し、電気代を30〜50%削減することも可能です。
業務用エアコンの電気代を抑える方法
① インバーター搭載機へ買い替え
近年のインバーターエアコンは、状況に応じて出力を自動調整し、必要最小限の電力で運転できます。古い機種からの買い替えなら、年間数万円の電気代削減効果が期待できます。
10数年前であればほとんどインバーターの機器ですが、20年を越す機器の場合ノンインバーターである可能性もあります。ノンインバーターは絶対に新しくした方が良い。断言できます。
② 設定温度の適正化
冷房時は25〜27℃、暖房時は**20〜22℃**を目安に設定することで、快適さを保ちながら電気代を抑えることができます。設定温度の見直しは、手軽にできる電気代節約法です。
③ 定期的なフィルター掃除
フィルターの目詰まりは、送風効率を落とし、余計な電力消費につながります。月1〜2回の清掃を行うだけでも、電気代は年間で数千円〜数万円変わります。
④ 室外機周辺の整理整頓
室外機の前に障害物があると放熱効率が落ち、消費電力が上がります。室外機の周囲1m以内に障害物を置かない、直射日光が当たるならすだれや日除けカバーを設置するなどの工夫も有効です。
⑤ 電力契約の見直し
高圧受電契約や動力契約をしている場合、電力会社や契約プランの見直しも効果的です。複数の電力会社で相見積もりを取り、より安価な料金プランへの切り替えも検討しましょう。
電気代を考えた業務用エアコンの選び方
① 必要能力に合った機種を選ぶ
「とりあえず大きい能力のものを」と選ぶと、過剰能力で無駄な電力を消費する恐れがあります。設置する部屋の広さ・用途・断熱性・天井高さなどを踏まえ、適切な能力(馬力数)の機種を選びましょう。
② インバーター機能の有無を確認
インバーター非搭載機は、出力のオン・オフのみで運転するため、無駄な電力消費が多くなります。必ずインバーター機能搭載のモデルを選ぶようにしましょう。
③ 省エネ性能の高い機種を選ぶ
エアコンには省エネ基準達成率が設定されています。カタログやメーカーサイトで**省エネラベルや年間消費電力量(kWh/年)**を確認し、より性能の良いものを選ぶと電気代削減につながります。
業務用エアコンの電気代に関するよくある質問
Q. 業務用エアコンの電気代は家庭用よりどのくらい高い?
A. 一般的に3〜5倍程度とされますが、機種・稼働時間・広さ・使用状況によって大きく異なります。特に稼働時間が長くなる夏・冬のピーク時は、高額になりがちです。
Q. 電気代を一番抑えられるのはどんな機種?
A. 最新型インバーターエアコンで、かつ省エネ基準達成率の高いモデルが最も電気代削減に効果的です。また、適切な馬力選びも重要なポイントです。
Q. エアコンの買い替えで電気代はどのくらい変わる?
A. 目安として、10年前の機種から最新型インバーター機種に入れ替えれば、電気代を30〜50%削減できるケースもあります。消費電力や稼働環境によって異なりますが、長期的に見て十分に元が取れる投資と言えます。
まとめ
業務用エアコンの電気代は、機種の性能・設定温度・稼働時間・メンテナンス状況など、さまざまな要因で変動します。
特に電気代が気になる場合は、インバーター搭載の省エネ機種への入れ替えと、こまめな清掃・適正温度の設定を意識するだけで、年間数万円単位での節約が可能です。
電力プランの見直しや室外機の設置環境改善もすぐにできる対策。この記事を参考に、自社のエアコンの運用状況をぜひ一度見直してみてください。