業務用エアコンの省エネ性の指標としてAPFがあります。
APFとはどれくらい電気をムダなく使っているかを表す指標のことです。
車で例えるなら、燃費の様な物です。
APFは高ければ省エネ性が良い業務用エアコンということです。
目次
業務用エアコンのトップランナー基準値 APF
業務用エアコンメーカーは下記APF以上になる機器を製造しなければならない義務があります。地球環境のために国がこの基準を定め、電気のよく使われる業務用エアコンの電力量を抑えようとしております。
この基準が2015年の基準で、次の基準がいつ改定されるのかは把握していませんが、各メーカーのハイグレードタイプの場合、余裕でクリアしています。
10年前の基準となってしまっているので、そろそろ基準値を改定しないといけない時期なのではないでしょうか。

業務用エアコンの各メーカーのAPF値
各メーカーのカタログに記載のAPFのグラフを比べてみましょう。
日立の業務用エアコンのAPF
シリーズ:省エネの達人プレミアム

東芝の業務用エアコンのAPF
シリーズ:ウルトラパワーエコ

パナソニックの業務用エアコンのAPF
シリーズ:XEPHY Premium

ダイキンの業務用エアコンのAPF
図がカタログに用意されていませんでした。
各業務用エアコンメーカーのAPFまとめ
日立とパナソニックは業界トップクラスと書かれてますが、「トップクラス」ってなんやねんと突っ込みたくなります。
各業務用エアコンメーカーのAPF値を表にしてみました。
色をつけているのが、このメーカーの中の馬力の中で一番高いAPF値です。
何を持ってトップクラスなのでしょうか。
2015年基準 | 日立 | 東芝 | パナソニック | ダイキン | ||
馬力 | kW | 省エネの達人プレミアム | ウルトラパワーエコ | XEPHT Premium | FIVE STAR ZEAS | |
1.5馬力 | 4.0kW | 6.0 | 7.8 | 7.6 | 7.7 | 8.0 |
1.8馬力 | 4.5kW | 5.9 | 7.8 | 7.5 | 7.6 | 7.8 |
2馬力 | 5.0kW | 5.9 | 7.7 | 7.4 | 7.6 | 7.8 |
2.3馬力 | 5.6kW | 5.8 | 7.5 | 7.4 | 7.4 | 7.8 |
2.5馬力 | 6.3kW | 5.8 | 7.4 | 7.2 | 7.3 | 7.4 |
3馬力 | 8.0kW | 5.7 | 7.3 | 7.1 | 7.5 | 6.8 |
4馬力 | 11.2kW | 6.0 | 7.4 | 6.7 | 7.3 | 7.2 |
5馬力 | 14.0kW | 5.7 | 7.0 | 6.4 | 6.9 | 6.7 |
6馬力 | 16.0kW | 5.5 | 6.8 | 6.2 | 6.8 | 6.5 |
8馬力 | 22.4kW | 5.1 | 6.3 | 6.4 | 6.4 | 6.1 |
10馬力 | 28.0kW | 4.8 | 5.9 | 6.0 | 6.0 | 5.7 |
業務用エアコンのAPF値についての私の思うところ
省エネタイプと標準タイプ
地球環境のため、省エネはとても大切なことかと思います。
しかし、業務用エアコンのそれぞれのメーカーは省エネタイプと標準タイプの2ラインナップを用意しています。
結局省エネタイプは金額が高くお客さんからはあまり好まれません。
民間の場合はほとんどの現場が標準タイプでの設置となります。
各メーカーは国の基準を考えた省エネタイプ、市場の状況も考えた価格の安い標準タイプ、この両方を製造していることが一番の非効率かと思います。
ラインナップを1つにすることにより、開発コストも減り、製造現場でのCO2排出量も減り、在庫管理コストも減り、地球環境に良いかと思います。
APFが高くてもメリットを感じない
このAPFという指標はあまり、ちまたで浸透していません。
また、APFを気にして購入している人もあまり聞きません。
上記表を見てもメーカーで比べてもどんぐりの背比べと感じてしまいます。
機種にもよりますが省エネタイプの方が0.2~0.5APFが高くても、3〜7%くらいしか消費電力で優位にならない計算です。
標準タイプより省エネタイプの方が機器代が数万円上がりますが、消費電力が5%ほど低くなり、電気代も抑えられますよと言われてもあまり魅力を感じないかと思います。
APFについての改善提案
何かしらの言葉の制限はあるのかと思いますが、APFという言葉ではなく、いっそのこと「燃費」という表現に変えた方が購入される方も気にしやすい言葉なので良い気がします。