業務用エアコンの冷媒配管には、断熱材が巻かれた「被覆銅管」が使用されています。

この断熱材は冷暖房効率を維持するために重要な役割を持っていますが、そのまま屋外に露出していると紫外線や雨風によって劣化してしまいます。
そこで配管や断熱材を保護するために施工されるのが「配管カバー」です。代表的な施工方法には「テープ巻き」「スリムダクト」「ラッキング」の3種類があります。
目次
業務用エアコンの配管カバーのテープ巻き・スリムダクト・ラッキングの違いを解説
テープ巻き

テープ巻きは、キャンバステープと呼ばれる布製のテープを下から上へと巻き上げて、内部の断熱材や配管を保護する施工方法です。
施工費用を抑えられるため、多くの現場で採用されています。
ただし、屋外で長期間使用すると紫外線や雨風の影響を受けやすく、経年劣化によってテープが剥がれてしまうことがあります。
実際に屋上などでは、テープがボロボロになり、その内側の断熱材まで劣化してしまっているケースをよく見かけます。
さらに劣化が進むと銅管がむき出しになり、青サビが発生していることもあります。
スリムダクト

スリムダクトはプラスチック製の配管カバーです。
家庭用エアコンでよく見かける配管カバーで、業務用エアコンでも小規模店舗や事務所などで多く採用されています。
テープ巻きよりも耐久性が高く、見た目もスッキリしているのが特徴です。
また、配管や配線をきれいに収納できるため、建物の外観を重視する店舗やオフィスにも適しています。
耐久性とコストのバランスが良く、現在では非常に人気のある施工方法です。
ラッキング

ラッキングはカラー鋼板やステンレス製の金属カバーです。
ビルの屋上や工場、病院、学校などの大型施設で採用されることが多く、官公庁の建物ではラッキング仕様が指定されることもあります。
金属製のため非常に頑丈で、紫外線や雨風だけでなく、外部からの衝撃からも冷媒配管を保護できます。
長期間にわたり配管を守ることができるため、耐久性を重視する場合には最も優れた施工方法といえるでしょう。
強度と耐久性を比較すると?
配管カバーの強度を比較すると、一般的には次の順番になります。
ラッキング > スリムダクト > テープ巻き
特に屋上や工場など過酷な環境では、この差が大きく現れます。
テープ巻きが劣化して断熱材がむき出しになっている現場は珍しくありません。一方でラッキングは長期間にわたり配管を保護できるため、メンテナンス面でも有利です。
断熱材が劣化するとどうなる?
断熱材がボロボロになっていても、エアコン自体は運転している場合があります。
中には銅管がむき出しになった状態でも、ガス漏れせずに稼働している業務用エアコンもあります。
しかし断熱性能は低下しているため、冷暖房効率が悪くなり、電気代が上がる原因になります。
「まだ動いているから大丈夫」と思っていても、本来の性能を発揮できていない可能性があります。
業務用エアコン更新時は配管の状態も確認しよう
業務用エアコンを更新する際、室外機周辺の断熱材が劣化しているケースは少なくありません。
そのような場合は、劣化した配管部分を切断し、新しい配管を溶接で接続します。その後、新しい被覆銅管を使用して断熱処理を行います。
業務用エアコンを購入する際は、本体価格だけでなく配管カバーの仕様にも注目することが大切です。
特に屋上や海沿い、工場など厳しい環境では、ラッキングを採用することで配管の寿命を延ばし、長期的な省エネやトラブル防止につながります。
初期費用だけでなく、10年後・15年後の状態も考えながら配管カバーを選ぶことをおすすめします。
