パッケージエアコンの「パッケージ」とは便利にまとめられた物を表す言葉で、「パッケージエアコン」とは便利にまとめられたセットになったエアコンのことを言います。また、一般的にはパッケージエアコンとは店舗オフィス用の業務用エアコンの事を言います。業界内ではPAC(パック)と呼ばれることもあります。
目次
エアコンの種類による違い
業務用エアコンの種類
- パッケージエアコン(店舗オフィス用エアコン)
- ビル用マルチエアコン
- 設備工場用エアコン
家庭用エアコンの種類
- ルームエアコン
- ハウジングエアコン
- フリーマルチエアコン
この中でセットで販売されているエアコンは業務用エアコンのパッケージエアコン、設備工場用エアコン、家庭用エアコンのルームエアコン、ハウジングエアコンです。これらすべてがセットでパッケージされているエアコンの為、パッケージエアコンと呼びたい所ですが、一般的には業務用エアコンのパッケージエアコン(店舗オフィス用エアコン)のみパッケージエアコンと呼ばれております。
パッケージエアコンの機種構成
シングル(ペア) | 室内機1台 | 室外機1台 |
ツイン | 室内機2台 | 室外機1台 |
トリプル | 室内機3台 | 室外機1台 |
ダブルツイン | 室内機4台 | 室外機1台 |
構成は上記の通り決まっており、セット形式も設けられセットで販売されています。
パッケージエアコンとビル用マルチエアコンの違い
パッケージエアコンとビル用マルチエアコンの違いは、パッケージエアコンは上記の構成となりますが、ビル用マルチエアコンは1台の室外機に対して室内機を規定内で自由に選ぶことができるエアコンです。パッケージエアコンの様にセット品ではないので、機種の規定を守り選ぶ必要があるため、少し知識が必要です。 以前にも記事書きましたのでこちらをご覧ください。
パッケージエアコンの室内機の形
天井カセット形
天井カセット形には吹き出しの向きが4方向、2方向、1方向、コンパクト4方向の形があります。「カセット」の意味合いは、カセットテープやゲームのカセットと同様、カチャと簡単にはめられるようなカートリッジの様な意味です。天井に簡単に設置できるパッケージエアコンという意味合いで「天井カセット形エアコン」と付いていますが、ラジカセやゲーム機にはめる位簡単な工事ではありません。新規で設置する場合は、天井を解体したり、建物躯体にボルトを打ったり、機器は一人で持って設置できないですし。「天井カセット形エアコン」よりも「天井埋込(パネル露出)形エアコン」というイメージがあっているのかと考えています。露出形と記載したのは後で出てくるダクト形やビルトイン形と区別をつけての言い回しです。
天吊形
天吊形は天井面より下に設置するパッケージエアコンです。吹き出しの向きが1方向タイプと4方向タイプがあります。1方向タイプはどのメーカーでも扱っているタイプで、4方向のタイプはダイキンのみが扱っている特別な形です。天吊形は天井面よりも下に設置するため、見た目は圧迫感がありますが、天井の懐を気にしないで設置できるため設置の自由度は高いエアコンです。ダイキンのみが扱っている4方向タイプの天吊形は天井カセット形4方向が設置できない場所でも、天井カセット形4方向と同様の空調をでき様々な場所で重宝します。
ダクト形
ダクト形は天井裏に室内機を隠すことができるパッケージエアコンです。天井カセット形でも触れましたが、こちらは「天井埋込(隠蔽)形エアコン」というイメージがあっているかと考えます。部屋の天井に吹出口と吸込み口を設置しその吹出口と吸込み口と室内機をダクトで設置します。天井に機器が直接見えず、吹出口と吸込み口しか見えないので、天井がスッキリします。しかし、天井の懐にスペースが無いと設置できません。ダクト形を導入する際には内装を設計する空調機も考慮し設計するのが一般的です。設置方法として廊下の天井裏がスペースがある場合室内機を廊下の天井裏に設置し、空調したい部屋までダクトを設置すれば、室内機の音なども気になりません。タクト形はビルトイン形とも似た機器となります。ダクト形は角ダクトで少し離れた場所まで風を届け、ビルトイン形はダクト形より近距離へ丸いフレキシブルダクトで風を届けます。
ビルトイン形
ビルトイン形は室内機本体は天井裏に設置しますが、吸込みパネルは天井面に露出します。天井カセット形と見栄えは同じイメージで、「天井埋込(パネル露出形)エアコンというイメージです。ビルトイン形は一般的室内機本体の下から空気を吸い込み、吹出口は室内機とは別の場所に設置し、フレキシブルダクトで空気を届けます。 吹出口を自由に設置することができます。ビルトイン形とダクト形は両方ダクトを設置するという観点で兄弟の様に捉えられることが多いですが、ビルトイン形は天井カセット形とも姉妹の様な関係です。例えば天井カセット形を厨房につけたいが、厨房が狭く天井スペースが確保できない場合、ビルトイン形が選定されるケースが多数あります。客席側にビルトイン形の室内機を設置し、フレキシブルダクトで厨房までダクトし空調する方法がよく採用されます。この場合ダクト形が選定されない理由はダクトを特注で製作する必要があるからです。ビルトイン形の場合、吸込パネルもフレキシブルダクトも吹出ユニットも既製品が使える為、天井カセット形の様に設置することができます。
壁掛形
壁掛形は家庭用のルームエアコンと同様の形のエアコンです。家庭用エアコンと異なる点はです。家庭用エアコンはコンセントが室内機に元々付いています。パッケージエアコンの壁掛形の場合、ブレーカーに直接配線します。電源は能力にもよりますが、3馬力までは単相200Vと三相200Vとが用意してあり、4馬力に関しては三相200Vの電源となります。また、単相200Vの場合、室内機でも室外機でもどちらでも電源をつなぐことができます。最近の家庭用エアコンは3馬力相当の能力のエアコンもでてきております。機能面で言うと、家庭用エアコンの方が多くの機能が付いていたり細かな設定ができる機種が多いです。空気清浄機能、お掃除機能が付いていたり、静音設計されていたり、温度設定を0.5℃刻みでできたりします。パッケージエアコンの場合、温める・涼しくするという点に特化しており、業務で使うとなると余計な物が不要という声もあり、付加価値はあまりついていません。
床置形
床置形は大人の目線位の場所から冷風、温風を吹き出すパッケージエアコンとなります。床置形は直接風が目の前から吹いてくるのでより涼しさ、暖かさを感じられるエアコンです。逆に直接風が当たると寒く感じたり、熱く感じたりすることもあります。また、天井に設置するタイプのエアコンより温度ムラはでてしまいます。設置工事は天井カセット形や天吊形やダクト形などと比べ天井を解体したり、脚立での作業や天井裏に潜り込む必要がなく地上で作業ができるので手間はあまりかかりません。天井カセット形を入れ替えするより、床置形を入れ替えする方が費用はかからないのが一般的です。
パッケージエアコンの能力(馬力、kW)
12の能力(馬力、kW)に別れております。ビル用マルチエアコンではこれ以上の能力の室外機がランナップしてあります。
- 1.5馬力、 4.0 kW
- 1.8馬力、 4.5 kW
- 2馬力、 5.0 kW
- 2.3馬力、 5.6 kW
- 2.5馬力、 6.3 kW
- 3馬力、 8.0 kW
- 4馬力、 11.2 kW
- 5馬力、 14.0 kW
- 6馬力、 16.0 kW
- 8馬力、 22.4 kW
- 10馬力、 28.0 kW
- 12馬力、 33.5 kW
ビル用マルチエアコンの室外機ラインナップ
- 16馬力、 45.0 kW
- 18馬力、 50.0 kW
- 20馬力、 56.0 kW
- 22馬力、 61.5 kW
- 24馬力、 67.0 kW
- 26馬力、 73.0 kW
- 28馬力、 77.5 kW
- 30馬力、 85.0 kW
- 32馬力、 90.0 kW
- 34馬力、 95.0 kW
- 36馬力、100.0 kW
- 38馬力、106.0 kW
- 40馬力、112.0 kW
- 42馬力、118.0 kW
- 44馬力、122.0 kW
- 46馬力、128.0 kW
- 48馬力、136.0 kW
- 50馬力、140.0 kW
- 52馬力、145.0 kW
- 54馬力、150.0 kW