夏に涼しさを求めて屋形船に乗る機会がある方もいらしゃるかと思います。屋形船で海や川の上にいても風が少しあれば心地いいかもしれませんが、真夏はエアコンがなければ気持ち良く過ごせません。あまり気にしたことが無い人が多いと思いますが、屋形船にも業務用エアコンが設置されています。
屋形船の業務用エアコンは特殊なエアコンか?
屋形船は海や川の水の影響を受けます。業務用エアコンの室外機は雨が降り濡れても故障することはありません。台風の風で転倒して故障することはありますが、大雨で故障することは滅多にありません。水に濡れることに関しては気にせず設置できます。しかし、海は塩水で金属を腐食させる性質があります。海で使われる屋形船の場合、塩害仕様という塩水に対して腐食しづらい加工がされている室外機を使う必要があります。室内機に関してはドレン水という結露水が発生します。通常の業務用エアコンであればドレンパンという水受けがる為、ドレン水は漏れ出てきませんが、屋形船は揺れる為そのドレン水が漏れ出てくることもあります。壁掛形の室内機の下に特注で、別のドレンパンを設置することもあります。
屋形船への業務用エアコンを設置する方法
屋形船へは通常の業務用エアコンと同じ方法で設置します。室外機は風通しの良い船体の後ろであったり、横に設置します。室内機、冷媒配管も通常の業務用エアコンと同様に設置します。電源は屋形船のエンジンで発生した電気を使います。古い屋形船の場合、電源装置が不安定な場合は業務用エアコンを設置しても運転できない場合があります。電源装置が問題ないかの確認も必要です。室外機は振動や傾きにも弱く、防振の為の架台を設置したいところですが、常に屋形船は揺れている為防振架台を設置してしまうと、配管は固定されているのに室外機が自由にバランスとって動いてしまうと、配管にねじれの力が伝わってしまい悪化すると配管に穴が空いてしまう可能性があります。
屋形船へ業務用エアコンを設置した場合の耐用年数
5年も使えれば良い方です。潮風にさらされるのは金属の固まりの業務用エアコンにとって、とても過酷な条件です。