広いお部屋のある住宅の場合、家庭用エアコンではなく業務用エアコンの方が良いのではないかと業務用エアコンも検討されるかともいらっしゃいます。つけられるかどうか聞かれることも多くあります。結論を言いますと、一般住宅に業務用エアコンを設置することは可能です。設置するにあたりいくつかの条件がありますので解説していきます。また、業務用エアコンの売れ筋の天井カセット4方向を設置する場合について解説していきます。
目次
業務用エアコンが一般住宅に設置できる条件
電源が用意されているか?
業務用エアコンを動かす為の電源の種類として単相200Vと三相200Vがあります。3馬力(30畳程まで対応機種)以下の機種には単相200Vと三相200Vのランナップがありますが、4馬力以上の機種には三相200Vの電源で動く機種しかありません。一般的な住宅の場合、単相200Vの電源しか用意されていません。言い換えると単相200Vの電源しか来ていない住宅には4馬力以上の業務用エアコンが必要な部屋は無いと判断されている家とも言えます。
この電源にが用意されているか否かで、設置できるかどうかが決まってくる大きな条件です。
三相200Vの電源を新たに引くことも物理的にはできますが、わざわざ引くよりも3馬力以下の業務用エアコンを数台設置する方法が一般的となります。単相200V対応の機種だからのいって何台でも設置できるわけではありません。何台も設置してしまうとブレーカーが飛んでしまうので、契約電力も確認が必要です。
マンションの場合、電源を新たに引くことはほぼ無理に近いことだと思いますので、3馬力以下のエアコンを設置することになります。
豪邸と言われている住宅や作業場兼自宅のような住宅の場合は三相200Vの電源が引かれているケースもあります。
天井裏に空間があるか?
天井カセット4方向を設置する場合、天井に埋め込んで設置するため、天井の懐に空間がある必要があります。機種にもよりますが、懐の高さが300mm前後必要になります。
埋め込まず露出して設置する方法も可能です。例えば、コンクリート打ちっぱなしの空間でしたり、天井高が高い場所では、あえてデザイン性も考慮し業務用エアコンを露出して設置するケースもあります。
業務用エアコンを設置する予算があるか?
業務用エアコンを設置する場合、一般的には家庭用エアコンの設置工事費の倍以上の費用がかかります。そこまで予算をかけて設置する必要があるものなのかどうかを検討する必要があります。
業務用エアコンの工事の家庭用エアコンの工事の違い
業務用エアコンの天井カセット4方向のエアコンと家庭用エアコンの壁掛け形と比べた場合の違いを解説します。
室内機の設置
業務用エアコンの室内機は重量もあり二人で作業するのが一般的です。配管も家庭用エアコンよりも太く曲げたり加工するのに専用の道具や技術が求められます。そのため自ずと工事代が高くなります。
業務用エアコンの室内機設置
風の循環を考え部屋の真ん中くらいに設置するのが一般的です。部屋の真ん中の天井に穴を開け設置します。冷媒配管とドレン配管(結露した水を屋外へ排出する配管)を天井裏を伝い、屋外まで施工します。
- 天井開口
- 天井裏での穴あけ作業
- 天井裏での配管配線施行
- 室内機設置用のボルト施行
- 室内機吊り込み
- 配管配線接続
天井裏での作業も多く家庭用エアコンと比べると作業の流れも異なり手間や技術がかかります。天井裏での配管の取り回しは、狭い場所に配管を通したりするので途中で引っかかったりするので、一人では難しく二人以上必要になります。
家庭用エアコンの室内機設置
壁面に設置します。壁に穴をあけ冷媒配管とドレン配管を施行します。
- 壁面穴あけ作業
- 据付板設置
- 配管配線接続
- 室内機設置
部屋内の目の届く場所での作業で業務用エアコンと比べると手間や技術力は入りません。専用の工具と少しの知識があればDIYでやってしまう人もいるくらいです。
室外機の設置
業務用エアコンと家庭用エアコンの工事の違いは、室外機の大きさ・重量が業務用エアコンの方が大きいことにより、人の手が必要な点です。最近は便利な運搬道具が出てきていますが、運搬道具を買うにも費用がかかるため、作業費用が業務用エアコンの方が上がってしまいます。
作業の流れとしては業務用エアコンでも家庭用エアコンでも下記流れで一緒です。
- 据付
- 配管配線接続
- 耐圧検査
- 真空引き
- 試運転
やろうと思えば家庭用エアコンと同じ単価で工事はできてしまいますが、体力の消耗、運搬道具の消耗、人間代がかかり、仕事を維持できなくなってしまうので業務用エアコンの設置に関しては工事費用は上げざるを得ません。