業務用エアコンを入れ替える際に配管は入れ替えるべきか。
既設の配管を再利用するのが一般的です。
業務用エアコンの各メーカーカタログに既存の配管をそのまま使う場合の注意点が記載されています。一昔前までは既存配管を使う注意点の記載はほとんどなく、業務用エアコンの工事業者の判断で勝手にリプレース対応機と言われていないのに既設配管を流用しておりました。最近では標準の業務用エアコンでリプレース対応機としているメーカーが多く存在します。リプレース対応機と対応していない機器の何が違うかというと、配管内に通っているフロンガスと一緒に含まれている冷凍機油が長年使っているとどんどん汚れてきます。その汚れを濾して綺麗にするフィルターの様なものが組み込まれているかどうかです。業務用エアコンの機器的には既設の配管を再利用しても利用条件はありますが、ほとんどの機器が問題ありません。
既設の配管の状態を確認する必要があります。状況の確認方法としては、目視、検知器(リークディテクタ)での調査、耐圧試験しかありません。目視では油染みはないか。検知器での調査は検知器を配管に近づけ、もしもフロンガスの漏れがあれば音で教えてくれます。耐圧試験では既設の配管に業務用エアコンが運転している時より高い窒素で圧力をかけ検査します。高い圧をかけてフロンガスが漏れないのであれば試験合格となります。
業務用エアコンが古くなったから入れ替えたいという場合であれば、ガス漏れがなかったか等の今まで使われてきた経緯を聞き、何もなければ配管問題なしと判断します。故障したため入れ替えしたい場合は注意が必要です。エラーコードでガス不足やガス漏れをあらわすコードの場合、どこからガス漏れ起こしているかわからないケースもあります。修理の人に見てもらったらガス漏れしていると言われた場合も同様です。
ではどうしたら良いか。入れ替え工事する中で普通の工事業者であれば必ず耐圧試験は実施されます。室内機と室外機を新しいものに交換し既設の配管と繋げた後に耐圧試験は行われます。この段階で耐圧試験をすることが通常の流れです。この通常の流れであれば予算も抑えられ、手間もおさえられます。しかしこの段階でガス漏れが発覚すると結局配管を交換しなければならなくなります。追加の工事費が何十万円もかかったり、配管が長く複雑な工事になれば何百万円になる場合もあります。事前に設置を希望される方と業者でこの点を話ししておくことが必要です。